このコーナーではみなさんが知りたい身近な判例をご紹介します。
トラブルに巻き込まれる前に このコーナーで知識を習得してください。
「ええっ!? そんなん知らん〜!」
・・・知らないでは済まされないのです!
(問題) こんな理由で雇止め?
ポイント⑴
労基法上の問題点はないか
〜労働者を解雇する場合〜
労働基準法20条 解雇予告
労働者を解雇しようとする場合には、少なくとも30日以上前に予告するか、30日以上の平均賃金を支払わなければならない。
労働基準法21条 解雇予告除外
試みの試用期間中の者。
では 今回の事例はどうなるのでしょうか?
条件①②の場合
雇用されて14日以内(一週間)であるため
労基法21条が適用され「解雇予告」は必要ありません。
ポイント(2)
民事上の問題点はないか
労働契約法17条 契約期間途中の解雇
民法623条 やむを得ない事由による契約の解除
労働契約法17条
[やむを得ない事由]とは?具体的にいうと?
過去の判例で《解雇は無効》とされたものをいくつかご紹介します。
有期契約労働者の契約期間中の解雇について、事業の縮小その他やむを得ない事由が発生したときは契約期間中といえども解雇する旨定めた就業規則の解釈にあたっては、解雇が雇用期間の中途でなされなければならないほどのやむを得ない事由の発生が必要であるというべきとした。
有期労働契約の契約期間中において、いつでも30日前の書面による予告の上、本件契約を終了することができる旨の記載をした労働契約書により契約を締結した者に対する契約期間中の解雇について、解雇の理由がやむを得ない事由(民法第628条)に当たるとは認められないため無効とした。
判例では、解雇の合理理性・社会的相当性の判断以上に厳格に判断されているようです。
(解決策) こんな理由で雇止め?
この事例の問題点は、この2つ!
1 社長の「採用当初から欠勤が多い。このままあなたを 雇用することはできないので、本日付で辞めてほしい」
という発言が、採用して1週間という短期間で行われていること
2 「トライアル雇用なのだから」として期間雇用者を安易に解雇しようとしたこと
まずは 業務指導をしてみてはどうでしょう。
解雇理由を検証してみると
いかがでしたか?
すぐに解雇!と感情的にならず 注意・指導という段階を踏んでいきましょう。改善を促す際には 記録を忘れずに!